設立趣旨

財団法人松翁記念財団設立趣意書

松翁安田善次郎翁

松翁安田善次郎翁

 昭和63年(1988年)は、松翁安田善次郎翁の生誕150周年に当ります。
翁は1838年、富山にその生をうけ、明治・大正と我国社会の近代化の激動期にあって、類まれなる秀れた先見性と経営力をもって金融界を中心に多くの企業を創立され立派に育成されました。それらの企業が未曾有とも言うべき戦後の変革期においても幾多の苦難に耐え、試練を克服しつつ隆々たる成長をとげ、我が国の金融・経済界の発展に多大の貢献をしたのみならず、今日、国際金融経済社会においてもゆるぎない地位を固めていることを見るにつけ、改めて翁の残された足跡の大きさに思いをいたすのであります。

 つきましては、翁が生誕150周年に当り、翁とゆかりの深い企業が相集い、翁の遺徳を偲ぶと共に、一世紀半の長きにわたりその中で息づき、育てられて来た社会に対する感謝の気持ちを込めて、「松翁記念財団」を設立することと致しました。

 本財団は、今日、我が国が直面している課題の一つである。「国際交流事業の推進」ということの重要性にも鑑み、社会の一員としてこれが推進に参画し、いささかなりとも貢献出来ればとの願いをもって、翁の生誕の地である富山県における各種国際交流事業に対する助成を行ってゆきたいと考えております。
併せて、翁はじめ金融・経済界に偉大な足跡を残された先人の事跡及び思想等を末永く広く顕彰し、明日の社会の発展に寄与することが出来ることを念願している次第であります。